住宅のトイレでつまりが発生してしまった場合の対処法はいくつかありますが、数ある対処法の中でも特に有名なのがラバーカップを使用する方法です。
ただ、ラバーカップにはいくつか種類がありますし、正しく取り扱わないと事態を悪化させてしまいかねないため注意しなくてはいけません。
この記事では、ラバーカップの種類や使用するときの注意点に触れながら、ラバーカップの正しい使い方についてご紹介します。
もくじ
まず知っておきたいラバーカップの種類
まず初めに知っておきたいのが、ラバーカップの種類について。
住宅に採用されているトイレの種類を大きく分けると以下の3つに分けることができます。
- 和式トイレ
- 洋式トイレ
- 節水トイレ
ラバーカップもトイレの種類に合わせて製造されているため、トイレのつまりを解消するためにラバーカップを購入する場合は、それぞれのトイレにあったラバーカップを購入し、使用する必要があります。
和式トイレ用
日本ならではのトイレである和式トイレ。
最近ではめっきり見かけなくなってしまった和式トイレですが、ご自宅のトイレに和式トイレが採用されている場合は、和式トイレ用のラバーカップを購入する必要があります。
和式用のラバーカップは、先端のゴムの部分がお椀状になっています。
「ラバーカップ」や「スッポン」と聞いて多くの方がイメージするのがこのタイプのラバーカップでしょう。
和式トイレは洋式トイレや節水トイレよりも排水口が広く設計されているため、先端に出っ張りなどが設けられることなく、まっ平らなお椀のような形になっています。
洋式トイレ用
日本の住宅の多くに取り入れられている洋式トイレ。
先ほども解説したように、洋式トイレはその構造上、和式トイレよりも排水口が狭く設計されています。
そのため、洋式トイレでつまりが発生してしまった場合は、洋式トイレ専用のラバーカップを購入して対処しなくてはいけません。
和式トイレ用のラバーカップは先端のゴムの部分がまっ平らなお椀型でしたが、洋式トイレ用のラバーカップはゴムの先端部分が出っ張っていて、そこを排水口にあてがう形で使用します。
また、洋式トイレ用のラバーカップには「大」と「小」、2種類のサイズがあります。
洋式トイレの排水口のサイズは製品によって異なるので、ラバーカップを購入する場合は、排水口のサイズを確認し、排水口のサイズにあったラバーカップを購入するようにしなくてはいけません。
節水トイレ用
節約や環境へ配慮する意識が高まることで注目されるようになった節水トイレ。
最近は節水トイレを導入するお宅も増えてきていますが、ご自宅に節水トイレが導入されている場合、節水トイレ用のラバーカップを用意しておかなくてはいけません。
節水トイレ用のラバーカップは、和式トイレ用のラバーカップはもちろん、洋式トイレ用のラバーカップとも異なる形状をしています。
和式用のラバーカップの先端にキャップ帽のつばがついたようなデザインになっているのが、節水トイレ用のラバーカップです。
節水トイレの排水口は、和式トイレや洋式トイレのように左右対象ではありません。
左右非対称の特殊な形状になっているため、ラバーカップもこのような特殊な形状になっているわけです。
そのため、節水トイレでつまりが発生してしまった場合は、この形状のラバーカップを購入し、使用する必要があります。
ラバーカップの正しい使い方と使うときの注意点
トイレのつまりを解消するためにラバーカップを使用する場合に把握しておきたいのが、ラバーカップを使用するときに注意するべきポイントと正しい使い方について。
注意点と正しい使い方を把握しないままラバーカップを使用してしまうと、思わぬトラブルにつながってしまいかねませんので注意してください。
ラバーカップを使うときの注意点
実際にラバーカップを使用する場合は以下3点の注意が必要です。
- 濡れると困るものをどかしておく
- 養生しておく
- トイレにあったラバーカップを使用する
それぞれの注意点について詳しく解説していきます。
濡れると困るものをどかしておく
トイレのつまりを解消するためにラバーカップを使用する場合は、まず、トイレにある濡れると困るものをすべてトイレの外にどかしておくようにしましょう。
トイレでラバーカップを使用する場合、基本的に養生をおこなった上で使用しますが、それでもトイレの水がハネてしまう場合があります。
排尿や排便後の汚水が便器内に溜まった状態でつまりが発生してしまった場合は、汚水がハネてしまう可能性があるため、トイレ内のものは極力どかしておくようにしましょう。
養生しておく
先ほど紹介したとおり、トイレのつまりを解消するためにラバーカップを使用する場合、トイレの水がトイレ内にハネてしまう可能性があります。
その汚水のハネを防ぐのが、「養生」です。
養生は、便器にフタをする形でおこないます。
トイレのフタを十分におおい隠せるサイズのビニールを用意したら、ビニールに穴をあけ、ラバーカップの柄の部分を穴から通します。
その状態で便器をビニールでおおい、ビニールを便器の側面にテープで貼り付けて密閉しましょう。
これで汚水のハネに対してしっかりと対策できるようになります。
ただ、ビニールが破れてしまうことも想定されるので、汚水がはハネてこまるようなものはトイレの外にどかしておくようにしてください。
トイレの種類に合ったラバーカップを使用する
先ほど紹介したとおりラバーカップには種類があります。
それぞれのトイレに適したラバーカップを使用しないとつまりを解消することはできませんので、それぞれのトイレにあったラバーカップを選んで購入し、使用するようにしてください。
洋式トイレ用のラバーカップは「大」と「小」でサイズがわかれていますので、必ず排水口のサイズを確認した上で、排水口のサイズにあったラバーカップを購入するようにしましょう。
ラバーカップの正しい使い方
ラバーカップでトイレのつまりを解消する際の手順は以下のとおりです。
- ラバーカップのゴムの部分をトイレの排水口にあてがう
- 水が足りていない場合は水を足す
- ラバーカップを押し込む
- ラバーカップを引き抜く
- 水が抜けるような音が確認できるまで押し引きの動作を繰り返す
ラバーカップを使用する場合、ラバーカップのゴムの部分が排水口にしっかりと密着していないと十分に効果を発揮してくれませんので、しっかりと密着させるようにしましょう。
また、水が足りていない場合も効果が得られませんので、水が足りていない場合は、ゴミの部分が隠れるぐらいまで水を足すようにしてください。
後は、ラバーカップを押して引く動作をつまりが解消されるまで繰り返すだけです。
「ゴボゴボ」という水が抜けるような音が聞こえるまで押し引きの動作を繰り返しましょう。
ラバーカップでつまりを解消できないときの対処法
先ほど紹介した「ラバーカップの正しい使い方」を参考にしながらラバーカップを使ってもトイレのつまりが解消できない場合、そのつまりはラバーカップで対処できるレベルのつまりではない可能性が高いと言えます。
その場合、別の方法で対処しなくてはいけません。
ラバーカップでトイレのつまりを解消できない場合の2つの対処法について解説していきます。
真空式パイプクリーナーを使う
トイレのつまりをどうしても自分で直したいのであれば、真空式パイプクリーナーを使った方法を試してみてください。
真空式パイプクリーナーは、トイレなど配管のつまりを解消するために使用されるアイテムの一つで、ラバーカップより強力なアイテムです。
ラバーカップのようなゴムにポンプがついており、このポンプの作用によって生み出される強力な吸引力でトイレのつまりを解消します。
ラバーカップよりも強力なアイテムではありますが、ホームセンターなどでも気軽に購入できます。
ただし、お値段はちょっと高めで2,000円ほどはすると考えておくべきです。
使い方はラバーカップとほとんど同じで、養生や水量の調整をおこなった上でゴムの部分を排水口にあてがい、ポンプに備え付けられているハンドルを引いたり押したりをつまりが解消されるまで続けます。
専門の業者に修理を依頼する
ラバーカップを使ってもつまりが解消されない場合は、基本的に専門の業者に修理を依頼するべきです。
どうしても自分で直したい場合は真空式パイプクリーナーを使う方法をおすすめしますが、ラバーカップで解消されないつまりは、業者に依頼することでしか直せない頑固なつまりです。
そのため、真空式パイプクリーナーを使っても直せない可能性が高いですし、こういった症状のひどいつまりを無理に自分で対処しようとすると事態をさらに悪化させてしまいかねません。
そういった事態をひきおこしてしまわないためにも、費用はかかりますが、水道修理のプロである専門の業者に依頼し、対応してもらう必要があると言えるわけです。
トイレ修理でおすすめの業者についてはこちらでご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
今回ご紹介した「トイレのつまりの救世主!「ラバーカップ」の正しい使い方」はいかがだったでしょうか?
トイレのつまりが発生する原因はさまざまですが、軽度のつまりであればラバーカップでも対処可能です。
そのため、実際にトイレのつまりが発生してしまった場合は、焦らずにラバーカップを用意して、今回紹介させていただいた正しい使い方を参考にしながら対処してみてください。
その場合は、トイレにあったラバーカップを用意し、濡れるものをどかしつつ、しっかりと養生した上で対処するようにしましょう。
ラバーカップで対処してみたもののつまりが改善されない場合は、ひどいつまりが発生してしまっている可能性があります。
真空式のパイプクリーナーで対処できる場合もありますが、専門の業者に依頼した方がより確実につまりを解消できるので、ぜひ専門の業者にご相談ください。